母子家庭の手当・給付金・減免 離婚後にシンママが申請できる制度を紹介

子育て

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離婚してシングルマザーになるタイミングで、

どんな手当があるの?
どんなサポートが受けられるの?

ということが気になると思います。どんなサポートがあるかによって、今後の子どもとの生活も変わってくるかもしれません。

母子家庭を支援するために様々な手当や助成金の制度があります。

いろいろ手当や助成金はありますが、申請しないと受け取れないものも多く、知らないと損するようなものもあります。

離婚してシングルマザーになって、一人で仕事に家事に育児にとワンオペで頑張っていると、なかなかそういった情報を集めることもできないかもしれませんね。

そこで、この記事では、母子家庭のための各種制度について、まとめて紹介して解説します。

この記事で紹介している制度

  • 生活のための各種手当・助成金(児童扶養手当など)
  • 子どもの教育費用の援助制度(就学支援金など)
  • 各種の減免制度(税金や年金などの減免)
  • 資格取得のための給付金制度

Chouette

制度を種類別に分けて紹介していますので、気になるところから見てください。また、新型コロナウイルスに関連した給付金などの制度は別の記事をお読みください。

生活のための各種手当・補助金

児童手当

児童手当は、中学卒業までの子どもを養育している家庭に支給されます。母子家庭独自の制度ではありませんが、子育ての一番基本になる手当の制度です。

支給額は、月額で3歳未満1万5000円、小学校卒業前1万円(第3子以降1万5000円)、中学生1万円です。

所得制限がありますが、所得制限を超えた場合は一律5000円になります。

児童手当は申請しないと受け取れません。申請は、お住まいの市区町村です。

児童扶養手当

児童扶養手当は、離婚や死別、未婚の母などのシングルマザーの家庭に支給されます。

子どもの数に応じて所得制限があります。平均的なシングルマザーの収入だったら所得制限を気にする必要はないと思いますが、実家に帰って両親と同居している場合、両親の所得によっては児童扶養手当を受給できない可能性もあります。

児童扶養手当は自動で受け取れるものではなく、申請しないと受け取れません。また、児童扶養手当が受け取れるのは、申請した月の翌月分からです。母子家庭になったときまでさかのぼっては受け取れません。

そのため、離婚でシングルマザーになったら、忘れずにすぐに児童扶養手当の申請をしましょう。申請は、お住まいの市区町村です。

児童育成手当

母子家庭や父子家庭のひとり親家庭に支給される東京都独自の制度です。

18歳までの子ども一人について月額1万3500円が支給されます。

東京都内の各区市町村が実施しています。詳細は、お住まいの区市町村にお問い合わせ下さい。

特別児童扶養手当

20歳未満で精神または身体に障害がある子どもを養育している父または母に支給されます。

母子家庭のための制度ではなくて、障害がある子どもを養育している家庭に手当を支給する制度です。ですから、もし子どもに障害がある場合には、離婚前から受給しているかもしれませんね。離婚前に元旦那が受給していたときは、離婚のときにシンママに変更する手続きも必要になると思いますので忘れないようにしてください。

一応所得制限がありますが、かなり高いので、あまり気にしなくて良いと思います。

詳しい手続きの問い合わせ先は、お住まいの市区町村です。

生活保護

収入が少ないときや病気や怪我で働けないときに頼れるのが生活保護です。

生活保護ってあまりイメージは良くないかもしれませんが、本当に困ったときに頼れるのが生活保護です。

働いていると生活保護はもらえないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。法律で決められた基準額より収入が少ないときは、生活保護を受給できます。

生活保護の申請は、お住まいの市区町村の福祉課や生活保護の担当部署です。一人で申請に行ってもどうにもならないときは、生活困窮者を支援している団体や、弁護士、法テラスなどに相談に行くと対応してもらえることがあります。

母子家庭の家賃補助(住宅手当)

母子家庭の住居で一番多いのは、民間の賃貸住宅です。家賃補助(住宅手当)は、民間の賃貸住宅に住む母子家庭の家賃の一部を補助してくれる制度です。

毎月かかる家賃は、生活費の中でも、大きな割合をしめます。その家賃を、一部補助してもらえるのは、うれし〜ですよね。

家賃補助(住宅手当)は、国の制度ではなくて、市町村の制度です。ですから、住んでいる市町村によって、内容や条件が違います。制度が無い市町村もあります。また、母子家庭だけではなくて、子育て世帯に家賃補助をしている市町村もあります。

これから離婚して引っ越しをする場合は、住もうとする地域の周辺の市町村も含めて、家賃補助について調べてから、住むところを探すといいかもしれませんね。

ひとり親家庭医療費の助成

母子家庭や父子家庭のひとり親家庭で、18歳未満の子どもを養育している親と子どもが病院にかかったとき、医療費の一部または全部を助成する制度です。

子どもだけでなくて、親の医療費も助成してもらえるのがポイントです。

ひとり親家庭の医療費助成は、国の制度ではなくて、市町村の制度です。制度がない市町村もあるかもしれないので、住んでいる市町村で確認してください。

助成を受けるには、所得制限があります。

また、申請しないと助成を受けられないので、忘れずに申請しましょう。

ひとり親家庭の医療費助成を受けられないときでも、次のこどもの医療費の助成を受けられる可能性があります。違いは、親も対象になっているのがひとり親家庭の医療費助成で、子どもだけが対象なのがこどもの医療費助成です。

こどもの医療費の助成

こども医療費助成は、子どもが病気や怪我で病院を受診したときに支払う医療費を助成してくれる制度です。母子家庭のみを対象にした制度ではなくて、子育て世帯の負担を軽減するためのものです。

これは国の制度ではなくて、市町村の制度で、条件などは市町村によって異なります。例えば、助成の対象になる子どもの年齢も未就学児、義務教育まで、高校生までと市町村によります。また、所得制限があるところとないところがあります。

住んでいれば自動的に助成してくれれば良さそうなものですが、申請しないと助成を受けられません。

子どもの教育費用の援助

幼児教育の無償化

幼稚園、保育園、認定こども園などを利用する3歳から5歳までのすべての子どもたちの利用料が無償化されました。

また、0歳から2歳児の子どもたちの利用料についても、住民税非課税世帯は無償化されました。

シンママの平均的な収入であれば、0歳から5歳まで無償で幼稚園等を利用することができます。

就学援助

就学援助は、経済的な理由で小中学校への修学が困難な家庭を援助するための市町村の制度です。児童扶養手当を受給していたり住民税が非課税の世帯であれば、就学援助を受けることができます。

シングルマザーの一番の心配は、子どもの教育費。なので、教育費の援助は助かりますね。

市町村の制度なので、細かい条件や援助の内容は市町村ごとに異なりますが、学用品費、クラブ活動の費用などの援助を受けることができます。

小学校や中学校に入学のタイミングでは、一時的にまとまった支出が必要です。「思ったよりかかるな〜」と思うかもしれません。そんな入学時の費用を援助する入学支度金の制度もあります。市町村によっては、入学前に支給してくるので助かります。

高校の就学援助

子どもが高校に通うようになると授業料等のお金が心配ですよね。でも、心配しなくても大丈夫です。

まず、母子家庭のみを対象にしたものではありませんが、国の制度で高等学校等就学支援金があり、公立高校の授業料は実質無償化されています。

また、私立高校の授業料も、就学支援金で私立高校の平均額まではまかなえます。さらに、各都道府県で、私立学校に通う子どものための支援金制度があります。

この他にも、低所得世帯を対象にした奨学給付金を受け取ることもできます。

それでも不足する場合には、母子父子寡婦福祉貸付で無利子の貸付を受けることもできます。

大学・専門学校の授業料免除と給付型奨学金

2020年から高等教育の無償化として、大学・専門学校の授業料や入学金の無償化制度が始まります。

対象になるのは、住民税の非課税世帯です。平均的なシングルマザーの収入でしたら住民税は非課税でしょうから、大学・専門学校の授業料の心配はありません。ただし、これは国公立大学の話。私立大学の場合は、全額が無償化されるわけではありません。

不足する分は、返済不要の給付型奨学金が受給できます。

生活のための各種減免制度

所得税住民税の減免(寡婦控除)

離婚や死別でシングルマザーになった場合、「寡婦控除」という所得控除を受けることができます。所得から控除される金額は27万円ですが、所得が500万円以下であれば35万円になります。

所得から控除される分だけ、所得税や住民税が安くなります。

残念ながら、離婚や死別ではない未婚のシングルマザーの場合、寡婦控除は受けられません。なんか納得できない扱いですよね。

ただし、未婚のシングルマザーも寡婦控除と同じような扱いをして子育てや福祉のサービスで差が出ないようにしている市町村が多いです。

国民年金保険料の免除

国民年金保険料の免除は、母子家庭のための制度ではなくて収入が少ない方のための制度です。

会社で厚生年金に加入している場合は、給料から厚生年金保険料が天引きされるので国民年金保険料を別に払うことはないので関係ありません。パートやアルバイトなどの非正規雇用で働いていて厚生年金に加入していない場合は、国民年金保険料を払う必要があります。

しかし、収入が少なくて国民年金保険料を支払うのが難しいときは、未納のままにしないで、国民年金保険料の免除の手続きをしてください。

国民年金保険料の免除を受けないまま支払わないでいると、将来年金を受け取れなかったりすることがあるので、確実に手続きをしておきましょう。

国民健康保険料の免除

国民健康保険の減免は、母子家庭のための制度ではなくて、収入が少ない方や失業などで収入が減った方のための制度です。

会社で健康保険に加入している場合は関係ありませんが、パートやアルバイトで会社の健康保険に加入していないときは、国民健康保険に加入します。ところが、この国民健康保険料は信じられないほど高いのです。

そのため、所得が低い家庭では、国民健康保険料を2割から7割減額してもらえます。国の基準で決まっていて、申請しなくても減額を受けられます。

また、失業などで収入が大きく減少したときは、国民健康保険料の減免を受けることができます。この場合は、申請が必要なので、お住まいの市町村の窓口で申請をしてください。

交通機関の割引

児童扶養手当を受給している方とその家族の方は、JRの通勤定期が3割引になる制度があります。お住まいの市町村で証明書の申請をして、定期券を購入するときに証明書をJRの窓口に提出します。

母子家庭で利用できる交通機関の割引は、JRだけではなく、市町村によってはバスや地下鉄なども割引や無料で乗車できる制度があります。お住まいの市町村に問い合わせて手続きをしてください。

シンママで自動車を持つことは少ないと思いますが、子連れで移動するときに公共交通機関が無料だったり安くなったりするのはうれしいですね。

粗大ごみ等処理手数料の減免

児童扶養手当を受給している家庭の粗大ごみの処分を無料にする制度です。市町村によって、あるところと無いところがあります。

粗大ごみを出すこと自体そんなにないかもしれませんが、もし粗大ごみを出すときには、市町村で調べてみるといいですね。

上下水道の減免

生活保護や児童扶養手当を受給している世帯の水道料金を減免する制度です。水道料金の減免制度も市町村によって異なり、あるところと無いところがあります。所得の額によって減免される市町村もあります。

水道料金は2か月に1回必ず支払うものなので、水道料金の減免の制度がある市町村に住んでいるときは、必ず減免が受けられるように市町村で確認しましょう。

資格取得のための給付金制度

自立支援教育訓練給付金

母子家庭のシングルマザーで、20歳未満の子どもを扶養しているときに、対象となる教育訓練を受講して終了したときに、受講料の60%が支給される制度です。

児童扶養手当を受給しているか、同程度の所得であることが必要です。また、講座の内容は、適職に就くために必要なものであると認められなければなりません。

資格を取るための講座を受講する前に、対象になる講座かどうかを確認してください。

高等職業訓練促進給付金

母子家庭のシングルマザーが看護師や介護福祉士等の資格を取得するために、1年以上養成機関に通う場合に、その期間中の生活の負担を軽減するために毎月高等職業訓練促進給付金が支給される制度です。また、入学時の負担軽減のために、高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。

支給額は、住民税非課税世帯の場合、高等職業訓練促進給付金が毎月10万円、高等職業訓練促進給付金は終了後に5万円です。

対象となる資格は、看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士等です。

まとめ

こうしてみると多くの制度がありますねー。

必要なもの、利用できるものは、忘れずに申請しましょうね。