住宅ローンを借りるときに、「いくらまでだったら借りられるんだろう?」と考えて検討する方は多いです。
そのように考えて融資の申し込みをして、金融機関からの住宅ローンの審査が無事通った。
という方がこの記事をたまたま読まれていると、水を差すようで申し訳ないのですが、
住宅ローンは「いくらまでなら借りられる」のではなく「いくらまでなら返していけるのか」といった考えを持つことが重要です。
将来返済が滞って、夢のマイホームを失ってしまっては何の意味もない。
そのことをまずもって肝に銘じておく必要があります。
今回は、住宅ローンを「いくらまでなら返していけるのか」といった考え方を紹介していきます。
この記事の内容
家計の可処分所得をしっかりと把握しましょう
住宅ローンを「いくらまで返していけるのか?」を把握するためには、家計の可処分所得を把握する必要があります。
可処分所得とは「自由に使えるお金」のことです。
例えば、給料をもらっている人は、社会保険料や所得税・住民税を差し引かれて手取額として毎月受け取ってります。
そして、この手取額から食費や光熱費などの生活費、貯蓄など様々なお金の支出があります。
可処分所得とは手取額から毎月の支出を差し引いて手元に残る正味資金のことを言います。
住宅ローンの返済や固定資産税などの納付は、この可処分所得から支出されることになります。
可処分所得の範囲内で返済できないということは、結果として家計の破綻になり、同時に家を失う原因になってしまいます。
また、可処分所得は将来ずっと一定ではありません。
子どもが大きくなって教育費がかかるようになると、可処分所得は減ってしまうのが一般的です。
そのときに、それでも可処分所得から支払い可能なのか、貯蓄を崩す必要があるのか、貯蓄は十分か。
そのあたりのことも考えて、「いくらなら返せるのか」を検討します。
住宅ローンの返済は35年の長期に渡るものなので、先々のことまで見通して計画を立てておくこと。
それが安全に住宅ローンを組むために必要なことです。
完済時の年齢を確認しましょう
毎年少しずつ給与がアップするのが一般的で、その前提で可処分所得も考えます。
しかし、定年退職を迎えた場合、収入に大きな変化が起こります。
再雇用制度等で引き続き働いた場合であっても、基本的には収入が減少してしまいます。
住宅ローンの返済が定年退職後も続くようでしたら、あらかじめ資金管理をしておく必要があります。
定年退職と子どもの教育資金が重なるようであればなおさらのこと。
「老後破産」または「定年後破産」
こういった言葉を最近見聞きすることが多くなりました。
これは定年後の収入減と病気などによる支出増によって、住宅ローンの支払が困難になってしまうことが、その理由の一つです。
定年後に住み慣れたマイホームを失うのは、どれほど辛いことか。
そうならないためにも、完済時の年齢の確認と、定年後にも住宅ローンが残る場合には、その金額やそのときの預貯金などの額もシミュレーションしてみるといいでしょう。
ファイナンシャルプランナーなどの専門家へ相談する
このように、住宅ローンを借りるときは、「いくらまでなら返せるのか?」で重要です。
「いくらまで借りられるのか?」ではありません。
そうは言っても、将来のお金の流れを自分で判断するのは難しいものです。
住宅ローンに限らず、円滑な家計のお金を把握するためにも専門家に相談してみるのも一策でしょう。
お金の相談をする専門家はファイナンシャルプランナー。
ライフプランと言って、将来のお金の収支をシミュレーションしてくれますよ。